友人が羨ましくて、出会い系で探した女性に悶々とした

友人が羨ましくて、出会い系で探した女性に悶々とした

結局俺はスケベ男に過ぎなかった。

かつて俺は童貞で彼女に恵まれない反動から、性的なものを否定し、女を遠ざけ、色欲にふける男友達に批判的な態度で接する天邪鬼だった。

「恋愛なんかに憧れる者は阿呆だ。恋愛なんてしょせん欲望と欲望のかけひき。自ら進んで煩悩の世界に身を投じようなんて愚の骨頂だよ」

「セックスは子孫を増やすための生殖行為であり、遊びではない」

大学でもそんな理屈っぽいことを吹聴しながら歩いていた。童貞でモテないくせにプライドばかり高い男の特徴というべきだろうか。

友達のAはそんな俺をからかい、何度か風俗に連れ出そうとしたが頑なに拒否した。

「もしかして性病が移るなんて考えていないだろうな。あの店の女の子は大丈夫だよ」

「風俗なんて不潔だ。まともな人間が脚を踏み入れる場所じゃない」

「そんな潔癖症でどうする。遊びのできない男は男じゃない」

「詭弁だ」

「頑固な奴だな。じゃあ出会い系はどうだ。出会い系に行けばだいたい彼女が見つかるよ。セフレだって作るのは簡単だ。どうだ、出会い系に登録してみないか」

Aが今交際している彼女は出会い系で見つけたらしい。むりやり写真を見せられたけど、けっこう可愛い子だった。Aが言うには、おっぱいが大きいらしい。ニタニタしながらスマホをタップする。

「これだ、これ。彼女のおっぱい写真。見るか?」

「え、遠慮しておくよ。俺はお前とは生きる世界が違うから」

とAを見下してその場を離れる。

だがAの話がずっと頭の片隅にあって消えなかった。ふとエッチ妄想が浮かぶ。

―俺としたことが、なんてことを考えてんだ―

頭を叩く。

だが誘惑に負けてこっそりと出会い系に登録してしまった。そして夏休みに実家の横手市に戻った折、現地の家事手伝いの女性とコンタクトをとるに至る。えくぼが可愛いかった。

「ぜひお会いしたいです」

そのメールを受けたとき、俺は逆立ちして喜んだよ。今までの俺は何だったのかと自身を省みることもなく、鼻の下を長くした。今まで口にしてきた聖者のような言葉の数々は一気にすっ飛んだ。

彼女とはドライブに行ったが、頭の中はセックスのことばかり。彼女を抱きたくてしかたない。ミニスカの脚やブラが透けて見えるブラウスを見ているとついに我慢の緒が切れ、人気のない場所に車を停めて抱きついた。

「ちょっと・・・やめて。やめて」

「頼む! エッチさせて! したい、したい、したい、したい」

緊張が切れたら一気に爆発するのが禁欲者の特徴だろうか。こみ上げてくる欲望のうねりに一気に巻き込まれ、制御不能な欲求が沸々とわいてくる。唇を唇に圧しつけ、乳を揉み、手のひらで太股をこする。

「やめて・・・もう、やだ」

泣き出してしまった。俺はやっと自分のしたことの浅はかさに気づいた。それから丁重に謝ったが時遅しで、その日で訣別。

俺は単なるスケベ男に過ぎなかったと気がついた。

以来、何かに憑かれたように女体を求める日々が始まる。東京に戻ってからも出会い系の女性と改めて知り合い、セフレにした。学友に知られないようにこっそりと会い、セックスさせてもらってる。

このことをAに告白すべきかいなか、目下思案中だ。

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