私、高知市在住の33歳の男性です。
このたび出会い系で知り合った彼女と結婚することになりました。
まずこのことをご報告しておきます。
出会い系で見つけた女性と結婚するなんて素敵な話だと思いますが、私は彼女との出会いを通して、もっと素敵な経験をしました。今日はそのことを書いてみたいと思います。
実は私、彼女に出会うまで童貞でした。セカンド童貞でなくて、生まれてから一度も女体を抱いたことのない純粋な童貞だったのです。でもそのことをことさら気にはしていませんでした。女性とセックスする機会がたまたまなかっただけのこと。別に童貞でいることが悪いことでもないし、車の免許を持っていない程度のことだと思っていました。
でも一つだけこだわりがありました。
恋愛、そして結婚相手は処女でなけれならないと考えていたのです。
自分が童貞ならば、相手も処女で。
これは私にとって譲れない条件でした。
せっかく33年間童貞を守り続けてきたのに、なにゆえ穴開きの経験者をパートナーに選ばなければならないのでしょう。
だから相手探しに出会い系を選んだのです。
どうして出会い系かだって?
出会い系だと、会う前に相手のことをいろいろ聞けそうじゃないですか。しかも身近に女性には気安く口にできないようなことでも聞けそうじゃないですか。
26歳のフリーターの女性がいました。
即聞きました。
「質問したいことがあります。処女ですか?」
返事はすぐにきました。
「非処女に決まってんじゃん。処女と会いたければ博物館に行くしかないよ」
彼女とはそれで終わり。
それから何人かの女性にアプローチし続けました。
そして質問し続けました。
でも帰ってくる答えは
「処女じゃないです」
「非処女です」
「100年前に捨てちゃった」
「意味不明」
「きもい質問やだ~」
理想と現実のギャップを感じました。
でもある日、同じ高知市に住む冴香さん(25歳)がこう答えたのです。
「私、処女ですよ」
来ました!
待ってました!
冴香さんはコンビニのアルバイターでした。どことなくウエットな雰囲気のある女性です。
何となく若い頃の中森○菜さんタイプです。
「こんな素敵な人が処女なんて」
待ち続けた甲斐がありましたね。
出会い系にも処女はいる。
理想を捨てなくてよかった。
さっそくお付き合いすることにしました。
童貞と処女ですから、そう簡単にはセックスにはいたりません。
でもそれでいいのです。私の目的はセックスではなく、処女との恋愛と結婚なのです。
まずは冴香さんの心をとらえることが大切なのです。
優しくしました。
一生懸命に冴香さんのために尽くしました。
そして冴香さんも私を好きになってくれたようです。
バレンタインには手作りのチョコレートをプレゼントしてくれました。
「これ、本命チョコ?」
「本命だよ。本命」
甘く潤んだ瞳が私を上目遣いに見ます。
そしてある夜、歩道橋で自然と唇が触れ合い、ハグしました。
「ホテル行こうか、冴香さん」
「はい」
お互い一言も会話せぬまま、静かにラブホテルへの道を歩いたのを覚えています。もう胸はドキドキ。視界が極端に狭くなってて、赤信号で渡ろうとしたりしました。
部屋に入ると、夢中で求めました。
自分が童貞であることも忘れ、女体にむしゃぶりつきました。
当然、セックスは失敗です。
挿入して10秒で射精しました。
もちろん冴香さんは絶頂に達していません。
でもそれはいいのです。
どうでもいいのです。
そんなことより、とんでもない事実が明らかになったのです。
冴香さん、処女じゃなかったのです。
出血もしませんし、痛がりもしません。
痛がるどころか、挿入した瞬間、甘いあえぎ声を出したのです。
「処女じゃなかったの?」
私、冴香さんの体から離れ、背中を向けました。
「処女ですっていったじゃん。あれ、嘘か?」
「処女よ、私。心の中では処女」
冴香さんはそれから過去を語りだしました。
4年前、好きでもない男性から処女を奪われたそうです。それはほとんどレイプだったそ
うです。
「あれは処女喪失体験じゃない。私はあのとき処女を捨てたなんて思ってない。私の処女はずっと心の中ににしまってた」
「ごめん。そうともしらず」
「いいの」
「僕。冴香さんを幸せにする。約束する」
処女膜を破ったら処女でなくなる。
物理的医学的にはそうかもしれません。
でも、冴香さんがいうように、非処女でも心理的には処女のままという女性もいるものです。女性は感情的な生き物です。男のように即物的な感覚はありません。
女性が本当に処女を捨てるのは、本当に好きな人とセックスしたときなのです。
冴香さんがそのことを教えてくれました。
プロポーズしたのは、それから2週間後でした。